〜盗人不知(ぬすびとしらず)の十一面観音様〜
観音様は、俗人の私たちが日常生活の中で人としての正しい道を 歩めるようにとお釈迦様が贈って下さった菩薩様です。 大智寺の観音様は、文久2年の「美濃西国手引記」に 「第21番札所 北野の聞性庵十一面観音」と記され 江戸後期の巡礼札所聞性庵にお祀りされていました。 この聞性庵とは、かつての大智寺塔頭の一庵のことです。
聞性庵で観音様は長年村人に守られ親しまれてきました。 庵の戸は年中開け放たれ、何時でも誰でも参拝できる庵でした。 しかし時が経つに従い、世に悪人の絶える事なし…で、 次々と仏具や地蔵様、お前仏が消えていきました。 そんな中で、唯一この秘仏の観音様だけは難をのがれ 現在まで安置されて参りました。 世の俗悪から身を守って下さる「盗人不知の十一面観音様」です。
その造りから平安末期、行基の作と伝えられ 長年、秘仏とされ、過去50年間、御開帳もされておりません。 それほどに大切に祀られ、難を逃れ、歴史を経た観音様です。 民衆に近く、しかも厳かに… まさにお釈迦様が遣わされた”観音菩薩”に相応しい存在です。 この大智寺の観音様が、平成20年、再び美濃西国三十三観音霊場二十五番札所として 多くの方にお参り頂けることになりました。 平成から尚、次の世へ… 変わらぬ信仰の灯を燈し続けたいものです。
美濃西国三十三観音霊場会ホームページ
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